ふりがなメーカーができるまで④
想像と創造
プロトタイプは一瞬でできたのですが、そのままでは使い物になりません。細かい調整が必要でした。
・ふりがなの精度を高めたい
・学年ごとオンオフ機能をつけたい
・読み込み時のふりがなの位置が変
・色、大きさを編集したい
・編集画面の表示を拡大縮小したい
・Windows以外も対応したい
・縦書きにも対応したい
・すすむ、もどるのボタン
・複数選択、ドラッグ選択
・ふりがな自体の編集
・追加と削除機能
・下にスクロールした時のメニューバー固定
などなど…
考え出したらきりがなく・・・
作業もきりがなく・・・
できること、できないことを探りながら欲しい機能を追加していきました。
技術的なことはAIを駆使すれば突破できます。
あとは何をしたいか。
これからの時代は「想像できれは創造できる」と誰かが言ったようですが、その通りだなと思いました。
機能改善の取組は続きます。
開発中のできごと
差別的な言葉がふられた
山に登れば危険はつきもの。「もう完成したし、Web上に公開しても大丈夫かな?」というくらいのとき、色々な資料を読み込んでルビ振りを試していました。たまたま、私が大学の授業用に作成したPPTスライドをPDF化したものを読み込んでみてびっくり!いくつかの漢字の上に差別用語が振られていたのです。
確かに、辞書で調べてみると歴史的な経緯もあり、そのような読み方が存在しました。そこから差別的な用語を除くという条件を設定しました。
人の役に立つものを作ったつもりが、人を傷つけることにもなりかねません。人の言動には、その瞬間ごとに常に責任が生まれていることを再確認した出来事でした。
縦書きの壁
「縦書きに対応しないと国語の先生が使えないな・・・」
自分が扱う文書はほぼ横書きの世界。さて、現代の日本語の文書の中に縦書きは何%くらいなのでしょうか。学校現場のテストのケースで考えると、縦書きは国語のみ?でも、ルビ振りといえば漢字、漢字と言えば国語、国語と言えば縦書き・・・
結局、仮にこのシステムがある中学校で広まって国語の先生だけ使えなかったらどうだろう?と考えたとき、「インクルーシブな社会をつくるためのシステムなのに、縦書きを使う人だけ使えないはダメだよね」という結論になり、縦書き対応にチャレンジすることになりました。
まずは、単純に「縦書きにも対応できるように、縦書きモードを作って」みたいなプロンプトをAIに伝えたのですが、めちゃくちゃなものができあがりました。そもそも、PDFの文字認識がどのような仕組みで構成されいるかわかっていなかったので、そこから探っていきました。
色々と試してみる中でよくわかりました。コンピューターの世界はそもそもが横書きの世界なのだと。確かに、縦書きのコーディングなど見たことがありません。散々挑戦したのですが、結局、縦書きのままふりがなをつけようとしても全然うまくいかないのです。AIと相談して色々トライしてもダメでした。「もうだめかな・・・縦書きはあきらめるしかないのか」と思ったときに、一つのアイデアが浮かびました。
作業の分散化です。
縦書きを読み込んでそのままルビを振ることができない。でも横書きはすでにできている。ということは
① 一旦、縦書きを横書きとして読み込む
② 横書きにしたものにルビを振る
③ 振ったルビごと縦書きにもどす
という、ステップを踏めばよいのではないかと考えたのです。そして、作ってみると・・・
できた!
位置の調整は必要でしたが、単語の認識はしっかりとできていました。このアイデアは(プロンプトが下手なこともあったと思いますが)AIからは出てこなかったものです。自分が試行錯誤してできたときの嬉しさ。これも人間ならではの感情です。「想像できれば創造できる」のもよいですが、簡単に創造できてしまうことには問題があるかもしれません。AIの恐ろしいところは、人間から「試行錯誤」する機会を奪ってしまうことなのかもしれません。
AIさん、解決策を教えてくれなくてありがとう。